バス用のフライに付いて思うこと
バスは、なぜフライを口にするのか?
当たり前の事を書くようで、多少気が引けるのですが
「見えているから」「聞こえているから」なんです。
つまり、補食対象の模倣だろうが、好奇心の刺激であろうが
「見せて」、「聞かせて」やる事、目立つ事が肝要です。
特に、バスやギルは好奇心の強い魚種なので、厳密にシルエットに拘るよりも
アトラクター的な「誘い」によるアピールが有効です。
ただし、目立てば良いといっても、鐘や太鼓で誘ってもバスは逃げるだけ
補食対象やバスの出す音を上回っては、魚が逃げていくだけですので御注意を


シルエット
水中から水面、もしくは水面付近の物をみると光線の具合によってシルエットに
見える場合が多いです、この場合はフライの色よりも水中(水面上)からの
シルエットが大きな要素になります。
また、シルエットとは静止した場合だけでなく動くシルエットも大変重要です。
明らかに固そうな物よりも、ラビットスキンの作る柔らかく動くシルエットは
効果的なアピールをします。


波紋
水面に近いフライの起こすリトリーブ時の波紋(波動)はバスにとっては
大変好奇心を刺激する要因です。
ドライ用のフックにエルクを適当に括り付けたパターン(要するにエルクのテール
だけのフライ)を波紋を起こすようにリトリーブすると、活性の高いバスは簡単
に出てきます。(さすがに、まじめに作ったフライほどは釣れませんけどね)
作り出される波紋は、連続的な物、単発的な物、およびそれの強弱、そしてそれらの
パターンの組み合わせで、色々なアピールができます。
強く単発的に起こす波紋で注意を向けて、近づいてきたバスにシルエットで
バイトさせる、もしくは細かな波紋を作ってよりアピールさせてバイトに持ち込む
のが、最近の自分のパターンです。
単発的な波紋の場合は注意が必要で、それは波紋の中心からあまりフライが移動
しないこと、テールやデコレーションはそのためのブレーキの役目が大きいです。
それでも、移動が激しい場合はリップを付けたりしてアクション時の移動距離を
抑えます。
これらの理由は簡単で、要するにせっかく起こした波紋の中心部周辺にフライが
無いとバスがフライを見失ってしまうからです。(ルアーのポッパーも同じ)


光物
きらきら光る物は、バスも大好きのようです。
光る場合、ずーっと光っているよりもベイトフィッシュが翻る時の、「キラリ」
はすごい反応を誘うようで、一瞬の反射光が効くようです。
それの連続(キラリの連続)がスピナーベイトにあたります。



水中では空気中よりもよく音が伝わります、そしてバスは音にもよく反応します。
トラウト系のフライではあまりこの「音」を積極的に利用しませんが、バスフライ
ではかなり積極的に利用します。
食欲の旺盛なバスならば数メートル先でも補食にきます、それ程バスは「音=補食」
と感じているのかもしれません。
また、ラトル入りのルアーが多い事からフライの中にラトルを入れる事も
有効です、ゾンカーのボディにラトルを入れると確かに良く釣れました
(ただし、投げにくくなりますけどね)


フライの方向性
バスに限らず、フライを2分する手段として
「イミテェート」「アトラクター」があります。
この2つの違いは、補食対象を模倣するか、それとも細かい模倣にこだわらず
フライ自体の動き等でリアクションバイトを誘うかの違いです。
対象魚をバスに絞った場合、アトラクター的なフライの方が有効な気がします。
理由としては、バスの好奇心がかなり旺盛で、音、光、振動、等で誘いやすい
から、またベイトの模倣といってもバスが肉食で餌が多岐にわたるために
模倣がしにくく、それならば適当な所で模倣には見切りを付けて、全体的な
アピール性に重点をおいたフライの方が釣れそうに思います。
つまり、ベイトの要点を模倣して誘う為のアトラクター的な部分も機能する
フライが「釣れるフライ」かも知れません。(断定するほど経験が無い)


水面上のバスフライの必要条件
トラウト系のフライとの一番の違いは、少々雑にリトリーブしても沈まない
事ではないでしょうか、その為には全体の比重が水よりも軽くなっている必要が
あります。
また、波紋や引き波を起こしやすくするために、前方の投影面積が大きくなる
傾向があります、大きすぎるとバランスが悪くなるので私はゲイブの幅を最大と
しています、音に重点をおく場合は正面の形状をポッパーのカップ型にして
自然な引き波に重点をおく場合は尖り気味の形状が、自然な引き波を起こします
(比重が極端に軽くなればドッグウォークも可能かも?)
比重を抑えるための素材としては バルサ、ウレタンフォーム、発泡スチロール
等を効果的に使うと良いです、ただ自然分解されない素材の場合は必要最小限に
したいですね。(安いのと、簡単なのでついつい使ってしまいますが...)


普通のドライフライの場合は
流れのある場所の場合に関しては、普通のドライフライに出るようです。
(当然バスバグやポッパーでもでます)このような場所においては普通の
ドライフライでの釣り方も可能です。
止水域でも出ないことは無いのですが、経験的に先にブルーギルが食ってしまい
バスが掛かる事は少ないです。逆に動かしてやるとギルよりもバスの方が反応が
良いです。